キルヒャー、ガット弦、猫
バロックギターやビウエラの試奏に、リュート奏者の水戸さんが来て下さいました
楽器の試奏とあわせていろいろなお話が伺えて楽しかったのですが、「良質のガット弦を作るには、羊に特別な餌をあたえて育てるという説がある」というお話があり、さっそくひっかかって追求しました
「キルヒャーの『普遍音楽』の中だったかなぁ」ということで早速入手して調べてみました
この本の中でガット弦に触れているところが数頁ありましたが、一般的な良い環境でかわれた羊が良いということを言っているだけのようです
134頁:「弦として優れているかどうかは腸の粘性によるが、それは動物の栄養状態に左右される。従って、水のある土地や湿地帯に食物を求める種類の動物は弦にとって有利ではない。最上のものは、山岳地帯に栄養を求めるものだ。(中略)」
菊池誉訳 アタナシウス・キルヒャー著 「普遍音楽」(工作舎刊)
【猫の腸】また、猫の腸も使われるように書いてありますが、これは拙訳「楽器の弦 その歴史と製法」の中にも触れられているように、catgutという言葉からきた誤謬と思われます
【猫オルガン】キルヒャーの同著の中で、鳴き声の音程を違えた猫を何匹も並べて尻尾を引っ張って演奏するという「猫オルガン」なるものが触れられていますが、実際に作られたことはないようですね(無理でしょうw 今なら動物愛護協会から横やりが入りそう)。キルヒャーはガリレオのように博覧強記。当時の王侯貴顕が喜びそうな磁石や幻灯を使ったおもちゃも作っていたようですから、その手の奇想のたまものでしょう。でもそれを実際にやっているBBC作の動画がユーチューブにありました。ただし、ぬいぐるみの猫の鳴き声を音階で並べてぬいぐるみを押して音をたてるというものでした。こんなことを大まじめにやってみるあたり、いかにもイギリス人w
ご興味の有る方はどうぞ^^
guy plays a cat organ
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