過去スレ:自分の楽器にあったガット弦のゲージを見つける手順について

過去スレ:自分の楽器にあったガット弦のゲージを見つける手順について

投稿記事by nomura » 2013年9月25日(水) 12:21 pm

0 自分の楽器にあったガット弦のゲージを見つける手順について
Nom

ガット弦は、個々の楽器にあったゲージをみつけると本当に良い音で鳴ってくれるように思います。それだけに、ゲージがあわないと音がひっくり返りやすいとか、逆にこもった音になるなど不都合がおきます。

弦楽器は個体差が大きいので、みなさまの楽器にどのゲージがあう、というのはとても申し上げにくく、一般的には「まずミディアムから試してみてください」と申し上げています。

ポイントは「さて、ミディアムを張ったあとどうやって適正ゲージを見つけるか」ということですが、MIXIやメールでいろいろアドバイスを下さっている「いちろー」さんが下記の方法を教えてくださいました。シンプルですが実用的な方法だと思います。ご了解いただいたのでご紹介させていただきます。
>いちろーさん、ありがとうございます

−−−−−以下引用−−−−−

1、適当にメーカーの音名指定(A線、G線などの名称)のミディアム辺りを張る。
2、1本ごとに音程を徐々に上げ下げして、楽器がよく響くかどうかを聞く。
3、上げて良くなる場合は太めに,下げて良くなる場合は細めに変更する。

これでだいたい3本目くらいまでには適正ゲージが見つかります。
平均では2本目ですね。
使わなくなった弦は予備にしたり、他の楽器にまわす,譲渡,売却します。
プレーンガットは張ったり外したりしても問題はありません。
−−−−−−−−−−−−−−

*いちろーさんは、ドイツのオーケストラで長年コントラバスの首席をお務めです。コントラバスでガット弦を愛用されており、極太の3,4弦も裸ガットをお使いになっています。

2008/11/24 01:24


1 恐縮です。
野田一郎

NOMさま、

私の周りにプレーンガットを使うバス弾きがいなかったので、初めて買う時は実に困りました。
ご多分に漏れず、
どのゲージが良いか?
どのメーカーが良いのか?
すぐ切れるのではないか?
音程の狂いは?
音量が低くて聞こえるのだろうか?
etc.......
わからない事ばかりでした。
もちろん結果は、
『プレーンガット以外にない!』
とまでなりました。

駄目なら金属弦に戻せば良いのだし,プレーンガットは緩めたり外しても壊れないというのが強みですね。というより休ませると復活するような気がします。
ですから試験的に使った弦は、そのまま人に譲ったり売ったりできるのも気楽です。

日本でもこれでますますプレーンガットを使う奏者が増えると良いですね。
元々ガット弦のために作られた弦楽器は,やはりガットで一番いい音がします。

2008/11/24 02:51


2 貴重なご経験ありがとうございます
Nom

野田さま

早くからプロオケの第一線でガット弦を活かしてこられた、貴重なご経験からのアドバイスありがとうございます。
ヨーロッパという、おそらく良質のガット弦を(日本よりは)手に入れやすい環境にいらっしゃったにしても、弦の取扱一つとっても、さらにコントラバスという第一にハンドリングそのものも大変な太い弦を使いこなすにはずいぶんご苦労や試行錯誤があったことと存じます。

弦はたとえモダンなスチールや化学繊維を使っていても消耗品である宿命から逃れられませんし、音楽家にとってはほしい弦がすぐに手に入るというのはとても大事なことと思っています。良質のメーカーとユーザーの皆様との間で、両方の思いが活きるような仕事をしたいと思っていますので、これからもいろいろアドバイス、よろしくお願いいたします。

野村

2008/11/24 09:28


3 有益な情報提供ありがとうございます
モグラ

野村様。有益な情報提供ありがとうございます。この方法を知っていれば、自分も、もっと早くベストゲージに近づけたのではないかと思います。これからヴェニスカトリンを試すときに、この方法でベストゲージを見つけたいと思います。

野田一郎様。
自分は、1998年のストラディヴァリウス・サミットコンサートで、野田先生の演奏を聴いております。そのコンサートの演奏メンバーの中で、ただ1人日本人の奏者が居たということで、ハッキリ記憶しており、凄いな~と思ったものです。
コントラバスの弦は非常に太いわけですが、全弦、裸のガット弦を使用されているとのことで非常に驚いております。
自分も、ヴァイオリンのG線に裸のガット弦を採用しており、A・D・G線は裸のガット弦で統一しています。(E線のみ、アルミ巻きのスチール)
野田先生がおっしゃられるように、やはり、弦楽器はガット弦を張ったときの音が一番良い音だと自分も思います。

ちなみに、野田先生がお使いの裸ガット弦は、TORO社のものでしょうか?

また、ヴァーニッシュ加工されたものをお使いなのでしょうか?それとも、ヴァーニッシュ無しのナチュラルのものでしょうか?

あと、コントラバスの裸ガット弦は非常に太いわけですが、いわゆるヴェニスカトリン(ロープ状のガット弦)をお使いでしょうか?それとも、通常のハイツイストの裸ガット弦をお使いなのでしょうか?

ご回答いただけると幸いです。それでは。

2008/11/24 12:58


4 モグラ様,はじめまして。
野田一郎

サミットコンサート,来ていただけたんですね。ありがとうございました。
96年、98年(今世紀最後の,というふれこみ)と弾いて,マネージャーが変わっちゃいました。

さて,コントラバス,そう,誠にふっといです。(笑)

サミットコンサートの頃はまだPirastro社のEudoxaを使っていました。
コントラバスのそれはガット芯に絹,銀合金帯を巻いて磨いた最高級の弦です。
P社が家から車で20分のところにあり、Eudoxaの改良のモニターをしていました。

で,今は
4弦 KB(ソロ、室内楽):G,D,A ハイツイスト、ナチュラル、最下E, 銀・銅線タンデム巻
5弦 KB(オーケストラ):G,D,A,E ハイツイスト、ナチュラル、最下H, 銀・銅線タンデム巻
6弦 Violone:上3本ハイツイスト、ナチュラル、下3本 銀・銅線タンデム巻
いずれもBaldockのKathedrale
7弦バスガンバ:上4本プレーン 軽ヴァーニッシュ、Aquila製、下3本銀線巻、ダミアン

ヴェニスカトリンは試しましたが私の楽器には合いませんでした。
弦自体の剛性が低すぎた感じです。

TORO社の製品は評判が高く,コントラバスから試そうと考えています。

先日ルーヴル・グルノーブルの演奏会を聞いてきました。
弦楽器はガット使用、管弦ともピリオド楽器でした。
ベルリオーズとチャイコフスキーというプログラムでしたが、素晴らしい音質とバランスでした。
ガットならでは、でした。

2008/11/25 02:46


5 追記『自分の楽器にあったガット弦のゲージを見つける手順について』への
野田一郎

弦を徐々に上げ下げする時,どの音程で最も良くなるかも聞いておきます。
この音程と他の弦の音程・ゲージを考え合わせると、どのくらい太め・細めにしたら良いか見当がつきます。

もっと数値的に迫りたい時は別にゲージ表があるようですが,上記のやり方で十分間に合います。

2008/11/25 02:52


6 最適なゲージを見極めたいと思います
モグラ

野田一郎様。ご親切なご回答をいただきまして、ありがとうございます。ドイツの一流オケの首席奏者としてご活躍されている野田先生と、こちらの掲示板上でガット弦について情報交換させていただくことができて、とても嬉しく思います。

コントラバスには、ヴァーニッシュ無しのナチュラルのハイツイストを張られているとのことですね。ドイツだと、日本よりも湿度が低くて年を通じて安定しているのではないかと思いますが、そういう気候だとナチュラルでも大丈夫なんですね。

自分は裸のガット弦はTORO社のものしか張ったことがありませんが、この1年間、いろいろなゲージを試してみて、天然のガットでありながら品質がとても安定していて、また非常に高性能なので、大いに満足しています。

ヴァイオリン用のガット弦の最高峰は、ピラストロ社のオリーヴだと言われていますが、TOROの裸ガット弦で最適なゲージを見つけることができれば、オリーヴとは違った素晴らしい音が出せますし、音色や表現の幅も広がります。

自分はA=440~442Hzの現代の標準的なピッチでヴァイオリンを弾いていますが、TOROのプレーンガット弦は、バロック音楽からロマン派まで余裕を持ってカバーしてくれます。

裸のガット弦は、ヴァイオリンの場合0.01ミリのゲージの違いで、音量や音色や弾き易さがハッキリ変わるので、適正なゲージを見つけられるかどうかで印象(評価)が大きく変わるように思います。

最近、自分の楽器に適したゲージの範囲がわかってきたので、このたび野田先生に教えていただいた方法で、自分の楽器にとって本当に最適なゲージを見極めていきたいと思います。

2008/11/25 23:38
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登録日時: 2013年9月23日(月) 11:26 pm

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