ガット弦使用実況

ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年5月05日(火) 2:18 am

TORO弦使用レポート

野村さんより掲示板活性化のために一肌脱げとの仰せで、いつもお世話になっている御礼が少しでもできればと、慣れない掲示板への書き込みをやってみたいと思います。
私は都内某プロオケに所属するヴァイオリ二ストのsukitoruという者です。オケはもちろんモダン・オーケストラですが、私は上二本、つまりE,Aに裸のガット弦(もちろんTORO)を張っています。
野村さんからは「ガット弦は実際どのくらい持つのか」ということについて書いてもらいたいと仰せつかっておりますので、この際、私の実況を書き込んでいくことで、どんな風に使っているのか(替えていってるのか)見ていただければと思っています。実際どのくらいの周期で替えるのか、その時々でよくわからないのです。ですから、自分でも把握するために、記録のつもりで書き込んでみようかと。

現在の使用弦の詳細を記しておきましょう。
e"- toro 0.64 3vanished
a'- toro 0.84 3vanished
d'- pirastro eudoxa 17
g - pirastro eudoxa 15 3/4

現在、4本とも4/26に同時に張り替えたばかり。
その前の状況を覚えている限りで記すと、今年正月明け気分を新たにするためにE線を交換。2月末の弦楽四重奏本番の前に念のためE線を交換。同じく3月末の弦楽四重奏本番の前に念のためE線を交換。という感じです。
これから弦の変化があれば、なるべく報告していきます。ご質問等あればなんなりと受け付けますが、常にチェックをするほどマメでないので、お返事には失礼があるかもしれません。
では乞うご期待。
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年6月06日(土) 11:21 pm

さて、あれからひと月ほど経ちました。その間、オケに乗りっぱなしでショスタコーヴィチSym7やらブラームスSym2やらさんざん弾いて、ヒゲ一本生えずにきました(ヒゲについてはお尋ねください)。劣化はほとんど見られず、強いて言えば、弦を触った時にごく僅かな凸凹が生じている、まあこれはよくあることで、指が押さえるところが微妙に凹むというか。指を弦に沿って滑らしていくと感じられます。
まだまだいけると、なんの疑いもなく仕事を続けていたら、いやー来ましたね。突然の断線! ちょっと油断もあり、切れる直前の状態を見てないのが悔やまれますが、今回はほぼ前兆なしでしたね。当日、3日は午前中が雨で午後はそのため非常に湿度が高かったのです。会場の公共ホールがこれまた湿っけてたんですよね。「今日は蒸し暑くて最悪だね」などと言いながらリハが始まったんです。その前のウォームアップでも別段異常はなく、チューニングを終え、さあ始まるぞという間際に、パンと大きな音がして、一音も弾かずに退場を余儀なくされました。同僚からは「まだなんにも仕事してねーぞ!」などと揶揄されながらソデに退散。しかし落ち着いて弦を交換、よく伸ばしてから、ゆったりと戦列に戻りました。
切れた場所は、e線の最初のB♭あたり。ほつれはなかったと思いますが、急な湿っけにやられたのだと思います。
曲はマーラーの3番。以前2番の本番中、最終楽章の最後のp部分で盛大な音を立てて切れたことがあって(それは他社のガット弦でした)、マーラーはこれから気をつけなければいけないかも。でも、あの時も梅雨の真っ最中でした。「敵は湿度にあり」ですかね。
添付ファイル
image.jpg
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年6月25日(木) 11:46 am

気温は低いが湿度は高い今日この頃、皆さんの弦はいかがでしょうか。
昨日6/24、コンサート会場でケースを開けたら、e線切れてました…
前日はゲリラ豪雨が東京のあちこちを襲い、幸いそれを避けることはできましたが、湿っぽくはなりました。家を出るまでは切れていなかったので、移動中に切れたのだと思います。
切れた場所は1stポジションのHあたりでしょうか。別段ほつれや傷は無かったと思います。前回も同じような場所でしたね。前回のようにリハーサルが始まってからでなく助かりました。
でも、もともと本番前に張り換えるつもりでした。なんとなく心配だったのです。「もしかしたらそろそろかも」という感覚がありました。これはもう説明できないのですが、気候とか、張ってからどのくらい経ったか、どのくらい弾いたか、どんな風に弾いたか、弦の状態、音の状態、などなどを総合的に観た上での「感覚」なんでしょうね。
とにかく私の場合、本番で切れてしまうと非常にまずい。オーケストラでは本番中弦が切れると、切れた楽器を後ろの人に順繰りに渡していき、一番ソデに近い人が切れた楽器を張り換えに引っ込むことになっているのですが、私の楽器を持って引っ込んでもその人はアジャスターの無い私の楽器にスチール弦を張ることができないんです。まあ、ボールエンドの弦を張ることは可能だとは思いますが、迷うだろうなぁ。いずれにしろ多大な迷惑をかけることになります。なので、本番中の断線は絶対に避けなければなりません。「本番であれば少しでもヤバそうと思えば換える」これがマナーでしょうな。
それでも切れる時は切れる。その時どうするか。
対策はしてますが、「その時」が来るまで伏せておきます。
添付ファイル
image.jpg
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年7月09日(木) 1:02 am

はいはい来ましたよー。7/8この酷い湿気にひょっとするとと思いケースを開けてみると、はい、ヒゲが生えています。ちょうどa"の辺りでしょうか。弦をはじいたときの残響も少なくなっています。明らかに切れる前兆ですね。
ここからどこまで行けるかやってみたところ、本日の業務は無事終了(魔笛リハーサル)。でも明日には切れてるでしょう。
こういう場合、もし本番ならば即刻交換、というのは前回述べました。まあ今回はリハだし、実験中ということで、様子を見ましょう。
実は、一昨日ケースを開けると、オイドクサのG線が切れてました。とにかく酷い湿気です。
添付ファイル
image.jpg
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年7月13日(月) 1:12 pm

12日です。こうなってしまったら、交換する以外の選択肢はありません。
それにしても8日からよく持ちました。翌日には切れてるだろうなー、という感じだったのが、意外や意外。晴れたのが良かったですかね。しかし、昨日の仕事場が地下の練習室でとても湿気ていた。これがトドメを刺しましたね。
切れるまでこのままいくかと思いましたが、本日からHP。本番に近い状態ですので、開始前に交換しました。東京文化会館ですが、ピットはそうでもないが、楽屋は冷房を抑えているのか湿度高め。こういう湿度の変化も良くないんですよね。
20日まで一週間ここで暮らします。
添付ファイル
image.jpg
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年8月06日(木) 12:24 pm

先月の12日に交換したE線は、その後の気候の安定(猛暑が続く)により、7月中の仕事に耐え、変化なく仕事を終えることができました。ナット近くにヒゲを生やす以外は。
さて8/1にアマオケに指導に行くと、その部屋は地下でとても湿度が高かったのです。効果はてきめんで、練習が終わった時には写真のような状態。gis''あたりですかね。「あーこれは明日の朝には切れてるわ」と思いましたが、翌日からバカンスだったこともあり、二三日確認もせずに放置。三日目に開けてびっくり、どっこい生きてました。音もなんか悪くない;^_^A
指触りが悪い以外は問題ないので、本番もないし、しばらく再放置しま〜す。
前回替えたときも、実はもっともったのかもしれません。あの時も地下室の湿気で同じようになったので、全く同じ状況で同じ症状なわけです。まあ稼働中だったので大事をとりましたが、いまはオフなのでどこまでいけるかやってみます。
しかしtoro弦の強靭さには改めて驚かされます。
添付ファイル
image.jpg
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年8月09日(日) 10:56 pm

切れてましたー。
先日の投稿日が6日で、その翌日には切れてなかったのですが、8日、9日と完全放置して、9日夜に確認してみると…
やはり時間の問題だったようですね。
こまめに確認できればどのように切れるのか観察できたのですが、夏休みですからっ(←開きなおる)
それにしても、切断箇所を見るとなんとも激しく切れたことを思わせる形状。ブチギレた感じですね。6/6の写真と比べてみてください。暑さに耐えかねたんですかね。
ま、張り替えて明日は新鮮な気持ちで久々に練習するかな。
添付ファイル
image.jpg
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年8月10日(月) 11:52 pm

補足。ついでにA線も替えました。それほど問題があったわけではありません。いつものように気が向いただけ。でも、やはり気持ちがいいですねー(*^_^*)
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年9月04日(金) 2:07 am

秋が立ったとはいえ、8月中にこれほど気温が下がるのもいいのかわるいのかわかりませんが、湿度の高さは月末には耐えられないものがありました。リハ開始直後に大きな音を立てて切れた、あの悪夢を思い出させるものがありました。
やはりというか当然、ガット弦は正直に反応し、ヒゲが生えてきたものです。なるべく環境を変えないようにして持たせようと努めまして、月をまたぐところまでいきましたがついに、晴れ間ものぞいた9月2日、トリスタンのリハ最終日、リハ終了時に写真のように、捩れたような状態になりました。
まあ今日はもう疲れて弾かないから明日まで放っておこうとそのままにして、翌日想像どおりの有様に。
2日のリハ中にはなんとなく「キーキー」いう感じだったのは弦の悲鳴、切れる前兆だったかもしれません。そういう時は素直に交換した方が良い。だって今日替えて弾いたら、やはり気持ちいいんだもん。
そういう弦とのコミュニケーションは、めんどくさいと感じればマイナスでしかないが、結構楽しいものですよ。
添付ファイル
image.jpg
image.jpg
image.jpg
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

Re: ガット弦使用実況

投稿記事by sukitoru » 2015年9月07日(月) 1:58 am

本日10/6は「トリスタンとイゾルデ」を演奏会形式での本番でした。3時開演で30分休憩を2回幕間におく、終演8時超の大きな仕事です。
先日の報告のとおり、e線は替えたばっかりだし、心配なく本番に臨みましたが、なんと1幕開始ほぼ直後にG線下がるなと思い何度か巻きながら演奏を続けていると、テールピースのところで切れちゃいました。上2本(つまり裸ガット)に関しては奥の手があったのですが、下2本のモダン弦は、想定外でした。これは考えてみればおかしなことで、モダン弦だって切れることはある。あたりまえのことです。最初に提示したように、オイドクサという「ガット弦」を使っている以上、モダン弦の中でも切れるリスクは高い。上2本の「みんなと違う弦」が切れることばかり考えていたので、こんな当たり前のことを考えていなかった。
そのため、しばらく呆然としてどうしていいのかわからなかったのです。切れたG線をぶら下げたまま弾いてましたが、「おいおいあと1時間以上もある1幕をこのままいけるわけねーじゃん?」と思い、「これはフツーの弦なんだから、オケのしきたりに従って後ろに回して替えてもらえばいいんだよ」と気づき、演奏を止め実行に移したものです。
巻き弦は金属弦と同じように、切れる兆候が掴みづらいですね。でも切れた場所を考えると、以前ここにも報告したG線断線も同じ場所だったことを合わせて考えても、芯のガットがむき出しになっている、テールピース下は要注意かもしれません。
前日はやはり室内楽のレッスンを公共の施設でやり、その部屋がとっても湿っていました。上2本の様子はその後つぶさに見ていましたが、さすがにテールピース裏までは・・・
今後はチェック項目を増やさねばなりません。

袖に引っ込み弦を交換してくださった仲間のおかげで、その後は気持ちよく弾けたことを付け添えてご報告いたします。
(本題から若干外れますので写真は割愛いたします。てかそれどこじゃなかった・・)

9/10追記
翌々日オイドクサD線も切れてました。ペグボックス中です。通勤中に切れたと思われます。湿度です。本番中同時でなくて良かった。汗
sukitoru
 
記事: 30
登録日時: 2014年12月09日(火) 10:44 pm

次へ

Return to バイオリン弦関係

オンラインデータ

このフォーラムを閲覧中のユーザー: Enzoroadype, Hamilrigiows & ゲスト[3人]

cron