過去スレ:オーケストラの中のガット弦: Y響 O様からのコメント

過去スレ:オーケストラの中のガット弦: Y響 O様からのコメント

投稿記事by nomura » 2013年10月03日(木) 2:45 am

0 オーケストラの中のガット弦: Y響 O様からのコメント
Nom

以前にもご意見をいただいた、Y響のバイオリニスト、O様からまたコメントをいただきました。
今回まとまったご注文をいただいたので、切れやすかったのか心配になってお尋ねしたことへのご返事です。
O様にお願いして転載許可をいただきました。
メインの記事でも掲載いたしましたが、ご意見、ご質問のある方はこちらでコメントをどうぞ。

以下、O様のメールより転記:
『いいぇ、今回まとめ買いをしたのはそんな理由ではなく、単にストックが多いということに安心する質だからです。TORO弦は、はっきり言って切れにくいです。以前にもお伝えしたと思いますが、こんなに切れないガット弦を私は他に知りません。
というか、TOROが演奏中に切れた経験はいままでに一度しかありません。
この前の10月頭にバロックのコンサートを抱えていて、それにむけリハーサルしてました。今年の9月はやたらじめじめした(この梅雨よりも酷く)日が続いていて、そのリハーサルルームもとんでもなく蒸していて(80%以上あったと思う)、最悪な環境でしたが、その時バンと切れたのが最初で最後の経験です。
うわ、この弦も切れるんだ、と変な風に感じたものです。

バロックだけでなく、私は普段職場で使っているモダンにもA,Eとガット弦を張っています。それはプロオケの中では一般的なことではなく、「変わったことをしている」部類に入るかもしれません。
だから、演奏中に切れる、ということは、できたら避けたい。
「やっぱりね・・」と周りに思われるのはくやしいじゃないですか。
また、本番中に弦が切れると、後ろの人に切れた楽器を渡していって、一番後ろの人が舞台袖に引っ込み、弦を張り替えて戻ってくる、という作業をします。
その場合、私のE線が切れて渡され、張り替えようと思ったら、なんだかわからない弦がついてるわ、アジャスターもなくてどうやって新しい弦を張ったらいいのかわからないわで、大変な迷惑をかけることになります。
したがって、私は常に、弦の状態に気を使うようにしてきました。

しかし、TORO弦を使うようになって、それはどんどん軽減されています。
もちろん、チェックは怠りませんが、不安は全くなくなりました。
だって、切れないんだもん!
今では、そろそろ替えた方がいい音するかな?となってから替えます。
切れるまで使ってたら、どこまでいくことやら。
E線で一月半、A線は3か月くらいでしょうか。
E線を替える2回に1回はA線も替える、という感じですかね。
明確にこうなったら替える、というのはなく、気が向いたら、というのが正直なところですが。
いずれにしろ、TOROの耐久性はかなりなものであることを証言いたします。』

O様、ご意見、また転載ご快諾ありがとうございました。

2010/12/05 19:46


1 TORO弦は非常に長持ちします♪
モグラ

野村 様

日本を代表するプロ・オーケストラのヴァイオリニストでいらっしゃるO様のご意見を転載していただきまして、ありがとうございます。

>バロックだけでなく、私は普段職場で使っているモダンにもA,Eとガット弦を張っています。

とのことですが、参考までに、(O様の許可が得られましたら)O様が張っていらっしゃるTOROのE線とA線のスペック、つまり、「ハイツイストorヴェニス・カトリン」、「ゲージ」、「ヴァーニッシュの回数」を教えていただけると幸いです。

毎日数時間演奏して弦を酷使されるプロ・ヴァイオリニストの方が、TOROのE線は1.5ヶ月、A線は3ヶ月持つ、とおっしゃっていることは、これから初めてプレーンガット弦を試してみようと思っている方にとって、非常に心強いアドヴァイスだと思います。

それでは、ごきげんよう。

2010/12/05 20:46


2 弦の種類と太さ
Nom

>モグラさま
早いですね^^
得に許可はいただいていませんが、今回記事転載のご快諾いただいたことを拡大解釈して今回お買い上げいただいたゲージで勝手にご報告いたします:

仕様は弊社の通常推奨弦、ふつうの裸ガットで1xヴァーニッシュのものです。
(TOROでは、特にローツイストやハイツイストという仕様の違いは提供していません。あえていうなら、すべてハイツイストということになるのでしょうか?)

1e”064
2a' 084
3d' 108

Nom

2010/12/05 21:39


3 参考にさせていただきます♪
モグラ

野村 様

早速のご回答ありがとうございます。普通のプレーンガットの1×Vとのことですね。太さは、標準〜標準よりもやや太め、という範囲ですね。

TORO弦は1×Vでも、プロのヴァイオリニストの激しい演奏に長期間耐えることができる、ということが実証されたということで、大変心強く思います。

それでは、ごきげんよう。

2010/12/05 22:50


4 本人より若干の訂正
Y響のO

私がモダンに張っているのは
E 064 1*v , A 084 1*v , D 064 silver wound , G 078 silver wound
もちろん全部TORO弦です。
いろいろ試した結果という訳ではなく、私はいわゆるピリオド派の端くれとして、モダンオーケストラの中心的レパートリーとなる時代に照準を合わせた結果です。ゲージは太いものを使いたいということで最太から試してみて、最初から問題なかったというだけです。
ゲージに関しては不満はありませんが、そのうち3*v やナチュラルも試したいなとは思っています。
Dのプレーンはバロック・ヴァイオリンのために注文しました。
バロックにも同じゲージを張っています。Gはもちろんwound。
バロックはモダンに比べ酷使していないので、弦の保ちはより長いです。それこそ積極的に替えないといつまでも同じ弦でいけてしまいそうです。この9月に切れたのはそのせい(ほっといた)もあるかもしれませんね。

2010/12/06 00:08


5 情報提供ありがとうございます♪
モグラ

Y響のO様

このたびは情報提供ありがとうございます。TOROのプレーンガット弦は、(特注弦の場合)0.01ミリ刻みでゲージを選択できるので、楽器の特性に合ったベストバランスな組み合わせを追求できる、というのが、大きなメリットだと思います。

3×Vは、気温や湿度の変化に対して強いだけでなく、弦の繊維のささくれ立ちが生じにくいというメリットがあります。特にヴァイオリンのE線やA線のような細い弦では、そうした3×Vのメリットをより強く感じます。

それでは、ごきげんよう。

2010/12/06 07:49


6 どういたしまして
Y響のO

モグラ様
いえいえ。
いつも研究熱心であるばかりか、その成果・結果を惜しみなく提供なさっているお姿に敬意を感じております。
それにくらべれば・・・
お互い今後もガットの世界を探求していきましょうぞ!

2010/12/06 23:32


7 コメントありがとうございます♪
モグラ

Y響のO様

お返事をいただきましてありがとうございます。日本を代表するオーケストラのヴァイオリニストでいらっしゃるO様から好意的なコメントをいただくことができて、大変嬉しく思いますし、非常に励みになります。

古楽器(バロックヴァイオリン)ではない現代の(モダンの)ヴァイオリンにプレーンガット弦を張るという手法は、海外に比べて、日本ではまだマイナーな状況ですが、プレーンガット弦の素晴らしさを実感した熱烈な愛好者の口コミ等を通じて、徐々に一般の方々にも浸透しつつあるように思います。

自分は、プレーンガットの弾き心地や音に心底惚れ込んでしまったので、モダンのヴァイオリンでありながらG線をもプレーンガット化するという段階まで達してしまいましたが、ボウイング、フィンガリング、ヴィブラートを工夫することにより、銀巻きのG線に匹敵するパワー(音量)と、銀巻きのG線には出せないプレーンガットならではの朗々とした太く温かみのある音が、引き出せるようになってきました。

モダンのヴァイオリンでG線のプレーンガット化を試みている方は、現状では、まだまだ少数ですが、海外のヴァイオリン関係のサイトを見ておりますと、モダンのヴァイオリンでG線のプレーンガット化を試みて上手くいった旨書かれているのを見かけることがありますので、好奇心旺盛な方には、ぜひチャレンジしていただきたいと思います。

それでは、ごきげんよう。

2010/12/07 20:18
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登録日時: 2013年9月23日(月) 11:26 pm

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