過去スレ:チェロでtoroガット弦
Posted: 2013年10月03日(木) 2:36 am
0 チェロでtoroガット弦
チェロ弾き
はじめまして 大体3ヶ月ぐらいtoroガット弦を使用している者です。
ヴァイオリンや弦バスのレポは多いですがチェロはないようなので分かる範囲でレポートしたいと思います。
最初に
A(120ミディアム)
D(160ミディアム)
G(28パッシオーネ)
C(32パッシオーネ)
※パッシオーネのケージはtoroとは違います
という構成で張っていました。
僕のチェロの弦長は大体71cmなのですが、A線が弱くて通らない音(テンション不足)、D線はそこそこですがパッシオーネのテンションが比較すると高すぎるといった問題がありました。
そこで今日は
A(122)
D(160据え置き)
G(210ヴェニス・カトリン)
C(312ヴェニス・カトリン)
+αテールガット(オックスガット)
という構成で張ってみました。
A線はたった0.02ミリなのですが、これがかなりの違いで格段に音の通りが良くなり張りのある音になりました。あまりにもテンションが低いということでなければ1つずつケージを試していった方がいいかもしれません。
D線は変えてないのですが、テールガットの影響だと思いますが音が良くなりました。前より中身の詰まった音に感じます。テールガットだけでも変える意味がありそうです。
G、C線は諸事情によりヴェニスなのですが、前評判通り、プレーンガットよりさらにノイジーな、よく言えば華やかな音です。これは楽器との相性もあるかもしれません。
ただG、C線ともにテンション不足で、特にC線に至っては全音高く調弦してちょうどいいくらいだったので、
gamutstringsホームページの計算機
http://www.gamutstrings.com/calculators/calculator.htm
によれば
G(2.24)
C(3.34)
ぐらいは必要そうです。
ただ特にC線ですが、
・テールピースの溝に入らない
・ペグ穴にどうがんばっても入らない
ということがあって、大工事をしなければならないことを考えるとあまり現実的ではなく銀巻を使った方が良いのかもしれません。(G線はペンチで潰してテールピースの溝には入りました)
それと裸ガット全般についてですが、まずスチール弦よりすべて優れているかというとそんなことはないと思います。スチール弦でしかできない奏法というのも間違いなくあります。ただガット弦特有のメリットももちろんたくさんあるので、気に入った方を使えばいいと思うのです。が、
初心者〜中級者の方が使うのは避けたほうがよいです。(基準が曖昧ですが)
なぜならガット弦を扱うにはかなり高度なボウイング・フィンガリングのテクニックが必要だと感じます。
まだ基本的なテクニックを習得していない方がガット弦を使っても良さをほとんど引き出せないのではないかと思います。
とりあえず3ヶ月間で感じたことを書いてみましたので、ご参考にしてもらえれば嬉しく思います。
2010/07/21 23:48
1 チェロの貴重なご感想
Nom
>チェロ弾きさま
貴重なご感想ありがとうございます。
おっしゃるように、チェロの皆さんからのご投稿はあまりなかったですね。
多くの方が実際にお使いくださっているのですが、他の楽器以上に個体差、個人差があるのかもしれません。(チェロ弾きは個人主義者が多い?笑)
ヴェニスカトリンの特徴、またガット弦全般にボーイング、フィンガリングの技術が必要というのはおっしゃるとうりだと思います。
ガット弦が面白そうということで、弦をガット弦に変えれば従来どうりの奏法ですばらしい音になるか、というとそんなことはないですね。そこを意識せずに、結果的にガット弦は良くないという判断をいただく場合もあるのではないかと思いますので、ご指摘のボーイングやフィンガリングのポイントなどを解説する記事ができたらいいな、と思っています。(解説記事だけで上達するものではないでしょうが、少なくともどういうことを意識すべきか、というあたりの知識だけでも)
2010/07/22 09:33
2 ガット弦でのテクニック
チェロ弾き
>野村様
ガット弦で特にどうというテクニックはないと思うのですが、あえて挙げればフィンガーパーカッションでしょうか?(左手の指が増えるときは叩く、離すときは弾く)
これをすることにより発音が明確になり、より陰影をつけやすくなると思います。
おそらく賛否両論あると思いますが、僕はカザルスの影響をかなり受けているので一応挙げてみました。
ただ、これは特にガット弦に限らずスチール弦でも行われていることですし、そんなことぐらい当たり前だろ!といわれると身も蓋もないのでこれくらいに^^;
何回も書いてますが、スチール弦の奏法と基本的には変わらない以上解説記事というのは難しいのではないかと思います(その技術の習得のために世界中でみなさん頑張っているわけですし。)
たとえばエヴァ・ピラッツィですが、これなんか弓が触れただけで音がでるくらいによく鳴りますし、音量もある。
とすればそれを使えばいいわけで、そこに不満がでてくるレベルの音楽性が備わったときにようやくガット弦の良さがでてくるのではないでしょうか。
音楽性が大事だなんていうのはかなり乱暴な言い方ですが、結局カザルスが周りがスチール弦に変えていく中であえてガット弦を使い続けた理由というのはそこだと思います。
ただ、toroガット弦のような素晴らしい弦があまり知られずにいる、というのはそもそも選択の余地がなくて悲しいところですけどね。
追記 改めて文章を見てみると皆様のお役に立つことが書かれてない気がするのでその後の弦の状態など書いておきます。
前に張っていたA線がそうでしたがピッチが安定する、という意味ではtoroガット弦はとても早いのですが、完全に弦本来の響きが鳴るという状態になるまではある程度日数がかかるようです。
前から張っているD線はよく鳴っていますが、やはり張りたてのA線は鳴りが弱いです。
低弦2つもテンション不足が相まってかなりおとなしかったものが少しずつ鳴るようになってきました。この2本に関しては完全に鳴りきってみないとわからないという感じです。
ただこの極太の弦もダイナミクスレンジがかなり広く、弓のコントロールをしっかりすれば音色もかなり幅広く変化するところはやはり素晴らしいです。
2010/07/23 22:22
3 ガット弦を活かすための奏法
Nom
>チェロ弾きさま
なるほど。ガット弦独自の奏法というのは無いのかもしれませんね。
でも、モダン弦(スチールやナイロンなどの)に比べてガット弦の良さを活かすための奏法の違いというか、留意点というのはあるのではないですか?
それは本来モダン弦でも習得すれば違いが出るけれど、ガット弦のほうがよりはっきりと差が出るとか。
裏返しますと、TORO弦に張り替えても効果が出ない。またはかえって良くない結果になる、という場合もあるのではないかと思います。それは何が違うのでしょうか。
2010/07/23 22:09
4 ガット弦を活かすための奏法
チェロ弾き
>野村様
ガット弦の良さを活かす奏法というのはやはり陰影を際立たせる、変化に富んだ音色をつくるためのボーイングのコントロールと上に書いた左手による発音だと思います。
ガット弦の幅広いダイナミクスレンジを活かすためには右手のコントロール(具体的に、小指の使い方など)をかなり意識する必要があると思います。
またtoro弦では弦を押さえつけることをするとまったく良い音がしなくなります。もちろんスチール弦でもそれは当たり前かもしれませんが、ガット弦は特に注意する必要があると思います。
スチール弦はこの点でまだ融通が利くので、初めてtoro弦を弾くときに弾き辛さを感じるかもしれません。(チェリストのほとんどがスチール弦、それも大体ラーセンorヤーガー&スピロコアの組み合わせなのでナイロンに関してはよくわかりません)
2010/07/23 22:47
5 ガット弦が鳴り始めるまでの時間
Nom
>チェロ弾きさま
先の追記とボーイングのコントロールについてのコメントありがとうございます。
ガット弦(おそらくTORO弦だけでなく)は、太い弦になればなるほど本来の良い音で響き始めるまでの準備期間(?)が長くかかるような気がします。
弊社にD−ヴィオローネ(コントラバスぐらいの大きさ)があるのですが、これに張った弦、特に5弦、6弦で低音のGGやDD(コントラバスの4弦より1音下。実際は415にあわせてあるので、通常のDD♭)などは、最初は楽音にもなりませんでしたが、張ってから数週間するとなり始めてくれました。
2010/07/24 08:58
6 ガット弦が鳴り始めるまでの時間
チェロ弾き
野村様>
そのくらいになるともはやモンスタークラスの太さでしょうね(笑)
ガット弦が鳴り始めるまでの時間の長さとテンションのミスマッチをガット弦を初めて張る方が理解されてないと「なんだこんなものか」という結論に至ってしまうかもしれないですね。
2010/07/24 14:37
7 一週間ほど経過して
チェロ弾き
新しく弦を張り替えて大体一週間経ちました。
モグラさんの推奨する調弦を1〜1.5音上げておくという方法を使って、ようやく下二つの極太弦が実戦レベルになった、という感じです。
やはりピッチが落ち着いてからもまだまだ音がよくなっていきます。
ですが一応この弦だとこのくらいが目安かな、ということでご報告です。
2010/07/28 09:24
8 最適なゲージを見つけるには?
モグラ
チェロ弾き様
はじめまして、モグラです。弦を張替えた後、ピッチを1〜1.5全音上げておくという方法を採用していただきまして、ありがとうございます。自分自身、この方法を使っていますが、早期にピッチを安定させるには、とても有効な方法だと思っています。
1〜1.5全音ピッチを上げるという方法によって、既にある程度弦が伸びて細くなっているにもかかわらず「やはりピッチが落ち着いてからもまだまだ音がよくなっていきます。」とおっしゃっておられることから推察しますと、下2つの極太弦に関しては、もう少し細いゲージを張った方が良い、という結論を導くことができるかと思います。
どの程度まで細くできるかは、少しずつゲージを細くして行く、という方法しかないと思います。
自分自身、通常は銀巻きG線が張られるヴァイオリンのG線を、銀巻きの無いガット弦(プレーンガット弦)化するというプロジェクトを進めていますが、最初1.86ミリ(ハイツイスト)という非常に太いゲージからスタートして、現在は1.34ミリ(ヴェニス・カトリン)まで細くなってきましたが、まだ、もう少しだけ細くできる余地があるように思っています。
同じプレーンガット弦でも、ハイツイストではなく、よりしなやかで高次倍音が出やすいヴェニス・カトリンを使うことによって、また、最適なゲージを張ることによって、銀巻きのG線に負けないようなパワフルで適度にツヤ(輝き)のある音を出せると思っています。
この3年ほどTORO弦を張ってみて、TORO弦は本当に高品質で良い弦だな〜と思います。
それでは、ごきげんよう。
2010/07/28 11:10
9 補足
モグラ
先ほどの書き込みの補足です。
ヴェニス・カトリンはロープ編みという構造上、弦を張ってテンションがかかることによって、ギュッと引き締まって、少しだけ直径が細くなります。また、引き締まることによって、レスポンスが良くなり、音に「張り」が出てきます。
このため、弦を張った直後は、弦の張りが弱いような、いわゆるテンション不足のように感じられることがありますが、弦を張り替えた後、最低でも1日間ぐらいは、標準よりも1〜1.5全音ピッチ上げて弦を引き締めてやることによって、音に張りが出てきて、レスポンスも音質も良くなります。
ピッチを上げるのは嫌だという方は、無理にピッチを上げる必要はありませんが、その場合は、弦が引き締まって張りのある良い音が出るようになるまでに、1週間ぐらいかかってしまうと思います。
ヴェニス・カトリンについては、音量を損なわない範囲で、どこまでゲージを細くできるか、という見極めが重要になってくると思います。
それでは、ごきげんよう。
2010/07/28 11:20
10 オリーブオイル
チェロ弾き
ご無沙汰しておりましたがちょっと発見があったのでご報告です。
他の記事でもすでに取り上げられていますが、ヴァーニッシュ弦であってもオリーブオイルに漬けるor塗るのは効果があるようです。
表面の毛羽立ちがなくなったり、音も良くなったりといった効果がありますのでこれは是非おすすめします。
目安として表面の色が白く乾いたようになったときに塗ってやるといいみたいです。
あと、特別高いモノを使う必要はないと思います。
ちなみに僕は味の素です(笑)
2010/12/11 12:02
11 ヴァーニッシュの効果
Nom
>チェロ弾さま
ご投稿ありがとうございます。
ヴァーニッシュは万能ではありません。ただ、実際にナチュラルの弦と比較するとあきらかに耐久性(寿命、ピッチの安定)を増す効果があるので、弊社での標準ご提供は1xヴァーニッシュにしています。当然、ある程度弾いているうちにヴァーニッシュ自体も薄くなってくるでしょうから毛羽立ちも出てきます。(ナチュラルのものに比べるとずっと出にくいと思いますが)
そういった際にオイルでメンテナンスしていただくのは本来の保守の仕方で、大変妥当なご提案だと思います。(私も、お客様からお問い合わせがあった際などにはそういうお勧めをしています)
また、他の記事でご投稿ありましたが、ヴァーニッシュ弦であっても最初からオイルに漬けておいてから使うという方もいらっしゃいます。ヴァーニッシュ自体、音や演奏性をなるべく阻害しないようにごく薄いものですし、もともとTOROのガット弦は手作りなので、ヴァーニッシュの塗布も非常にアナログな方法で行っていますから塗りむらが全く無いとは言えません。したがって、含浸も有効な場合もあるかと思います。
Nom
2010/12/11 12:21
12 張る前の準備について
手羽先
こんにちは
新参者ですみません。
弦を張る前の準備について質問です。
銀巻きのC線G線を購入したのですが、チェロに張る前に重りをつけて
巻き癖をとるために10日程吊るした方がよしでしょうか?
アドバイスお願いします。
2010/12/28 20:30
13 オイルにつけ込んでから吊しておく?
Nom
手羽先様
お買い上げ、お尋ねありがとうございます。
確かに巻線は吊しておいてよじれを取るという方もいらっしゃいます。
一方では大半の方はあまり気にせずにそのままお使いになっています。
巻線は(TOROに限らず)どうしても巻いてある線がゆるんでくるのが傷みの
大きな要因になりますので、少しでもゆるむ可能性を減らすという意味では吊し
ておくのは意味があるのではないでしょうか。
この掲示板でも、投稿いただいているように、コントラバスなどの太い弦の場合は特にその傾向があります。
もしお急ぎでなければ、1週間ほど吊しておかれてはどうでしょうか。
また、気にする方の場合は、楽器に張る前に1〜2週間オイル漬けにしておくと
いう方もいらっしゃいます。(これは巻線だけではなく)
弊社が標準にしているのは1xヴァーニッシュという、一度表面にコーティング
をほどこしたものなのでオイル漬けの効果はそれほど大きくはないのですが、ヴァーニッシュが万能ではないので、漬けておく意味はあるかと思います。
オイル漬けをする際にはどうしても巻かざるを得ないので、もし両方なさるなら
ば
1.まずオイル漬け1〜2週間
2.それから取り出してオイルを表面から拭き取っておいてしばらく吊しておく
ということになりますから、準備期間がかなり長くなってしまいますね。
あまりご参考にならない意見ですみません。
ご質問などありましたら、どうぞご遠慮なくお尋ねください
2010/12/28 21:46
14 弦を張る前の準備
手羽先
なるほど。
ご意見ありがとうございます。
堪えきれずに張ってしまったので次回購入時にチャレンジしてみます!
2010/12/29 18:07
15 普通は。。。
Nom
>手羽先さま
あははは、普通はみなさんそのまま張っていらっしゃいます^^
2010/12/29 21:17
チェロ弾き
はじめまして 大体3ヶ月ぐらいtoroガット弦を使用している者です。
ヴァイオリンや弦バスのレポは多いですがチェロはないようなので分かる範囲でレポートしたいと思います。
最初に
A(120ミディアム)
D(160ミディアム)
G(28パッシオーネ)
C(32パッシオーネ)
※パッシオーネのケージはtoroとは違います
という構成で張っていました。
僕のチェロの弦長は大体71cmなのですが、A線が弱くて通らない音(テンション不足)、D線はそこそこですがパッシオーネのテンションが比較すると高すぎるといった問題がありました。
そこで今日は
A(122)
D(160据え置き)
G(210ヴェニス・カトリン)
C(312ヴェニス・カトリン)
+αテールガット(オックスガット)
という構成で張ってみました。
A線はたった0.02ミリなのですが、これがかなりの違いで格段に音の通りが良くなり張りのある音になりました。あまりにもテンションが低いということでなければ1つずつケージを試していった方がいいかもしれません。
D線は変えてないのですが、テールガットの影響だと思いますが音が良くなりました。前より中身の詰まった音に感じます。テールガットだけでも変える意味がありそうです。
G、C線は諸事情によりヴェニスなのですが、前評判通り、プレーンガットよりさらにノイジーな、よく言えば華やかな音です。これは楽器との相性もあるかもしれません。
ただG、C線ともにテンション不足で、特にC線に至っては全音高く調弦してちょうどいいくらいだったので、
gamutstringsホームページの計算機
http://www.gamutstrings.com/calculators/calculator.htm
によれば
G(2.24)
C(3.34)
ぐらいは必要そうです。
ただ特にC線ですが、
・テールピースの溝に入らない
・ペグ穴にどうがんばっても入らない
ということがあって、大工事をしなければならないことを考えるとあまり現実的ではなく銀巻を使った方が良いのかもしれません。(G線はペンチで潰してテールピースの溝には入りました)
それと裸ガット全般についてですが、まずスチール弦よりすべて優れているかというとそんなことはないと思います。スチール弦でしかできない奏法というのも間違いなくあります。ただガット弦特有のメリットももちろんたくさんあるので、気に入った方を使えばいいと思うのです。が、
初心者〜中級者の方が使うのは避けたほうがよいです。(基準が曖昧ですが)
なぜならガット弦を扱うにはかなり高度なボウイング・フィンガリングのテクニックが必要だと感じます。
まだ基本的なテクニックを習得していない方がガット弦を使っても良さをほとんど引き出せないのではないかと思います。
とりあえず3ヶ月間で感じたことを書いてみましたので、ご参考にしてもらえれば嬉しく思います。
2010/07/21 23:48
1 チェロの貴重なご感想
Nom
>チェロ弾きさま
貴重なご感想ありがとうございます。
おっしゃるように、チェロの皆さんからのご投稿はあまりなかったですね。
多くの方が実際にお使いくださっているのですが、他の楽器以上に個体差、個人差があるのかもしれません。(チェロ弾きは個人主義者が多い?笑)
ヴェニスカトリンの特徴、またガット弦全般にボーイング、フィンガリングの技術が必要というのはおっしゃるとうりだと思います。
ガット弦が面白そうということで、弦をガット弦に変えれば従来どうりの奏法ですばらしい音になるか、というとそんなことはないですね。そこを意識せずに、結果的にガット弦は良くないという判断をいただく場合もあるのではないかと思いますので、ご指摘のボーイングやフィンガリングのポイントなどを解説する記事ができたらいいな、と思っています。(解説記事だけで上達するものではないでしょうが、少なくともどういうことを意識すべきか、というあたりの知識だけでも)
2010/07/22 09:33
2 ガット弦でのテクニック
チェロ弾き
>野村様
ガット弦で特にどうというテクニックはないと思うのですが、あえて挙げればフィンガーパーカッションでしょうか?(左手の指が増えるときは叩く、離すときは弾く)
これをすることにより発音が明確になり、より陰影をつけやすくなると思います。
おそらく賛否両論あると思いますが、僕はカザルスの影響をかなり受けているので一応挙げてみました。
ただ、これは特にガット弦に限らずスチール弦でも行われていることですし、そんなことぐらい当たり前だろ!といわれると身も蓋もないのでこれくらいに^^;
何回も書いてますが、スチール弦の奏法と基本的には変わらない以上解説記事というのは難しいのではないかと思います(その技術の習得のために世界中でみなさん頑張っているわけですし。)
たとえばエヴァ・ピラッツィですが、これなんか弓が触れただけで音がでるくらいによく鳴りますし、音量もある。
とすればそれを使えばいいわけで、そこに不満がでてくるレベルの音楽性が備わったときにようやくガット弦の良さがでてくるのではないでしょうか。
音楽性が大事だなんていうのはかなり乱暴な言い方ですが、結局カザルスが周りがスチール弦に変えていく中であえてガット弦を使い続けた理由というのはそこだと思います。
ただ、toroガット弦のような素晴らしい弦があまり知られずにいる、というのはそもそも選択の余地がなくて悲しいところですけどね。
追記 改めて文章を見てみると皆様のお役に立つことが書かれてない気がするのでその後の弦の状態など書いておきます。
前に張っていたA線がそうでしたがピッチが安定する、という意味ではtoroガット弦はとても早いのですが、完全に弦本来の響きが鳴るという状態になるまではある程度日数がかかるようです。
前から張っているD線はよく鳴っていますが、やはり張りたてのA線は鳴りが弱いです。
低弦2つもテンション不足が相まってかなりおとなしかったものが少しずつ鳴るようになってきました。この2本に関しては完全に鳴りきってみないとわからないという感じです。
ただこの極太の弦もダイナミクスレンジがかなり広く、弓のコントロールをしっかりすれば音色もかなり幅広く変化するところはやはり素晴らしいです。
2010/07/23 22:22
3 ガット弦を活かすための奏法
Nom
>チェロ弾きさま
なるほど。ガット弦独自の奏法というのは無いのかもしれませんね。
でも、モダン弦(スチールやナイロンなどの)に比べてガット弦の良さを活かすための奏法の違いというか、留意点というのはあるのではないですか?
それは本来モダン弦でも習得すれば違いが出るけれど、ガット弦のほうがよりはっきりと差が出るとか。
裏返しますと、TORO弦に張り替えても効果が出ない。またはかえって良くない結果になる、という場合もあるのではないかと思います。それは何が違うのでしょうか。
2010/07/23 22:09
4 ガット弦を活かすための奏法
チェロ弾き
>野村様
ガット弦の良さを活かす奏法というのはやはり陰影を際立たせる、変化に富んだ音色をつくるためのボーイングのコントロールと上に書いた左手による発音だと思います。
ガット弦の幅広いダイナミクスレンジを活かすためには右手のコントロール(具体的に、小指の使い方など)をかなり意識する必要があると思います。
またtoro弦では弦を押さえつけることをするとまったく良い音がしなくなります。もちろんスチール弦でもそれは当たり前かもしれませんが、ガット弦は特に注意する必要があると思います。
スチール弦はこの点でまだ融通が利くので、初めてtoro弦を弾くときに弾き辛さを感じるかもしれません。(チェリストのほとんどがスチール弦、それも大体ラーセンorヤーガー&スピロコアの組み合わせなのでナイロンに関してはよくわかりません)
2010/07/23 22:47
5 ガット弦が鳴り始めるまでの時間
Nom
>チェロ弾きさま
先の追記とボーイングのコントロールについてのコメントありがとうございます。
ガット弦(おそらくTORO弦だけでなく)は、太い弦になればなるほど本来の良い音で響き始めるまでの準備期間(?)が長くかかるような気がします。
弊社にD−ヴィオローネ(コントラバスぐらいの大きさ)があるのですが、これに張った弦、特に5弦、6弦で低音のGGやDD(コントラバスの4弦より1音下。実際は415にあわせてあるので、通常のDD♭)などは、最初は楽音にもなりませんでしたが、張ってから数週間するとなり始めてくれました。
2010/07/24 08:58
6 ガット弦が鳴り始めるまでの時間
チェロ弾き
野村様>
そのくらいになるともはやモンスタークラスの太さでしょうね(笑)
ガット弦が鳴り始めるまでの時間の長さとテンションのミスマッチをガット弦を初めて張る方が理解されてないと「なんだこんなものか」という結論に至ってしまうかもしれないですね。
2010/07/24 14:37
7 一週間ほど経過して
チェロ弾き
新しく弦を張り替えて大体一週間経ちました。
モグラさんの推奨する調弦を1〜1.5音上げておくという方法を使って、ようやく下二つの極太弦が実戦レベルになった、という感じです。
やはりピッチが落ち着いてからもまだまだ音がよくなっていきます。
ですが一応この弦だとこのくらいが目安かな、ということでご報告です。
2010/07/28 09:24
8 最適なゲージを見つけるには?
モグラ
チェロ弾き様
はじめまして、モグラです。弦を張替えた後、ピッチを1〜1.5全音上げておくという方法を採用していただきまして、ありがとうございます。自分自身、この方法を使っていますが、早期にピッチを安定させるには、とても有効な方法だと思っています。
1〜1.5全音ピッチを上げるという方法によって、既にある程度弦が伸びて細くなっているにもかかわらず「やはりピッチが落ち着いてからもまだまだ音がよくなっていきます。」とおっしゃっておられることから推察しますと、下2つの極太弦に関しては、もう少し細いゲージを張った方が良い、という結論を導くことができるかと思います。
どの程度まで細くできるかは、少しずつゲージを細くして行く、という方法しかないと思います。
自分自身、通常は銀巻きG線が張られるヴァイオリンのG線を、銀巻きの無いガット弦(プレーンガット弦)化するというプロジェクトを進めていますが、最初1.86ミリ(ハイツイスト)という非常に太いゲージからスタートして、現在は1.34ミリ(ヴェニス・カトリン)まで細くなってきましたが、まだ、もう少しだけ細くできる余地があるように思っています。
同じプレーンガット弦でも、ハイツイストではなく、よりしなやかで高次倍音が出やすいヴェニス・カトリンを使うことによって、また、最適なゲージを張ることによって、銀巻きのG線に負けないようなパワフルで適度にツヤ(輝き)のある音を出せると思っています。
この3年ほどTORO弦を張ってみて、TORO弦は本当に高品質で良い弦だな〜と思います。
それでは、ごきげんよう。
2010/07/28 11:10
9 補足
モグラ
先ほどの書き込みの補足です。
ヴェニス・カトリンはロープ編みという構造上、弦を張ってテンションがかかることによって、ギュッと引き締まって、少しだけ直径が細くなります。また、引き締まることによって、レスポンスが良くなり、音に「張り」が出てきます。
このため、弦を張った直後は、弦の張りが弱いような、いわゆるテンション不足のように感じられることがありますが、弦を張り替えた後、最低でも1日間ぐらいは、標準よりも1〜1.5全音ピッチ上げて弦を引き締めてやることによって、音に張りが出てきて、レスポンスも音質も良くなります。
ピッチを上げるのは嫌だという方は、無理にピッチを上げる必要はありませんが、その場合は、弦が引き締まって張りのある良い音が出るようになるまでに、1週間ぐらいかかってしまうと思います。
ヴェニス・カトリンについては、音量を損なわない範囲で、どこまでゲージを細くできるか、という見極めが重要になってくると思います。
それでは、ごきげんよう。
2010/07/28 11:20
10 オリーブオイル
チェロ弾き
ご無沙汰しておりましたがちょっと発見があったのでご報告です。
他の記事でもすでに取り上げられていますが、ヴァーニッシュ弦であってもオリーブオイルに漬けるor塗るのは効果があるようです。
表面の毛羽立ちがなくなったり、音も良くなったりといった効果がありますのでこれは是非おすすめします。
目安として表面の色が白く乾いたようになったときに塗ってやるといいみたいです。
あと、特別高いモノを使う必要はないと思います。
ちなみに僕は味の素です(笑)
2010/12/11 12:02
11 ヴァーニッシュの効果
Nom
>チェロ弾さま
ご投稿ありがとうございます。
ヴァーニッシュは万能ではありません。ただ、実際にナチュラルの弦と比較するとあきらかに耐久性(寿命、ピッチの安定)を増す効果があるので、弊社での標準ご提供は1xヴァーニッシュにしています。当然、ある程度弾いているうちにヴァーニッシュ自体も薄くなってくるでしょうから毛羽立ちも出てきます。(ナチュラルのものに比べるとずっと出にくいと思いますが)
そういった際にオイルでメンテナンスしていただくのは本来の保守の仕方で、大変妥当なご提案だと思います。(私も、お客様からお問い合わせがあった際などにはそういうお勧めをしています)
また、他の記事でご投稿ありましたが、ヴァーニッシュ弦であっても最初からオイルに漬けておいてから使うという方もいらっしゃいます。ヴァーニッシュ自体、音や演奏性をなるべく阻害しないようにごく薄いものですし、もともとTOROのガット弦は手作りなので、ヴァーニッシュの塗布も非常にアナログな方法で行っていますから塗りむらが全く無いとは言えません。したがって、含浸も有効な場合もあるかと思います。
Nom
2010/12/11 12:21
12 張る前の準備について
手羽先
こんにちは
新参者ですみません。
弦を張る前の準備について質問です。
銀巻きのC線G線を購入したのですが、チェロに張る前に重りをつけて
巻き癖をとるために10日程吊るした方がよしでしょうか?
アドバイスお願いします。
2010/12/28 20:30
13 オイルにつけ込んでから吊しておく?
Nom
手羽先様
お買い上げ、お尋ねありがとうございます。
確かに巻線は吊しておいてよじれを取るという方もいらっしゃいます。
一方では大半の方はあまり気にせずにそのままお使いになっています。
巻線は(TOROに限らず)どうしても巻いてある線がゆるんでくるのが傷みの
大きな要因になりますので、少しでもゆるむ可能性を減らすという意味では吊し
ておくのは意味があるのではないでしょうか。
この掲示板でも、投稿いただいているように、コントラバスなどの太い弦の場合は特にその傾向があります。
もしお急ぎでなければ、1週間ほど吊しておかれてはどうでしょうか。
また、気にする方の場合は、楽器に張る前に1〜2週間オイル漬けにしておくと
いう方もいらっしゃいます。(これは巻線だけではなく)
弊社が標準にしているのは1xヴァーニッシュという、一度表面にコーティング
をほどこしたものなのでオイル漬けの効果はそれほど大きくはないのですが、ヴァーニッシュが万能ではないので、漬けておく意味はあるかと思います。
オイル漬けをする際にはどうしても巻かざるを得ないので、もし両方なさるなら
ば
1.まずオイル漬け1〜2週間
2.それから取り出してオイルを表面から拭き取っておいてしばらく吊しておく
ということになりますから、準備期間がかなり長くなってしまいますね。
あまりご参考にならない意見ですみません。
ご質問などありましたら、どうぞご遠慮なくお尋ねください
2010/12/28 21:46
14 弦を張る前の準備
手羽先
なるほど。
ご意見ありがとうございます。
堪えきれずに張ってしまったので次回購入時にチャレンジしてみます!
2010/12/29 18:07
15 普通は。。。
Nom
>手羽先さま
あははは、普通はみなさんそのまま張っていらっしゃいます^^
2010/12/29 21:17