by はせがわ » 2016年1月16日(土) 11:43 pm
はじめまして!
はせがわと申します。 http://www.hasegawa-guitar.com/
MASにはいつもお世話になってます。
初書き込みですがどうぞよろしくお願いいたします。
普通のクラシックギターにガット弦を張るというのは
わたし自身も過去に何度か試し、
現在も一部のギターでそのようにしています。
考えてみれば
戦前のギターはガット弦の時代にあたりますし
あるいはオーセンティックなトーレスモデルだったら
当然オリジナルのトーレスはガット弦だったわけですから
結果的に気にいるかどうかはともかくとして
それらの製作された頃に想定されていた音色を体験してみるのは
とても面白いことだと思います。
事実、わたしもやってみてとても興味深く感じました。
ちなみにわたしはいくつかの楽器に試したのち
現在はトルナボスの入ったトーレスモデル(2004年アメリカ)に
ガットを張っていますが、渋く深い音色がして気に入っています。
ガット弦を試すに当たっては痛い経験をした先人として??
一つアドバイスを書いておきます。
大概のクラシックギターでは初めてガットを張ると
ナットのエッジによって弦が切れたり削れてしまったりします。
文章で書きにくいですが(^_^;)
ナットの溝の中はだいたい大丈夫なのですが
溝の入り口と出口の部分は鋭角になっている場合が多いので
そこにガット弦が当たると
スクレイパーで削られるように弦が傷んでしまうのです。
軽くでよいので、紙やすりなどで面取りをするとよいです。
ガット弦は単価が高いので
張ってすぐに傷んだり切れたりすると
心も痛んだり切れたりしますから(笑)
切れるといえばガット弦はテンションをあげると切れやすくなりますし
低めのテンションで結構良い音がしたりしますから
初めは1音下げ(A=392あるいは1弦D)くらいで試し
調子を見ながらもう少し上げてみるとか
そんな風に進むとよいと思います。
ナイロン弦になれた我々は
弦は強いものと思っていて意外と雑な扱いをしています。
ですが弦はもともと痛んだり切れたりするもので
昔の人は様子を見ながら丁寧に扱っていたと想像します。
爪も鋭いエッジを押しあてるようにタッチすれば
たちどころに繊維が切れ、ささくれ立って
音の劣化を促進し、弾きにくくなります。
とは言え、そういうことも含めて試行錯誤というか経験ですから
興味を持たれた方はあまり怖がらずに?
いろいろ試してみると面白いですよ!
はせがわ