by nomura » 2015年2月06日(金) 10:00 am
YAMAZAKI様
投稿ありがとうございます。
私が通常はじめてガット弦をお使いになる場合のお客様へのご提案している内容です:
1.上駒(ナット)と下駒(ブリッジ)の弦溝(弦が通る溝)の仕上げを確認する
具体的には、角が尖っていないか。特に上駒の弦溝両端が尖っている場合、角を丸くする。
ここが尖っているとガットの繊維がひかかってほつれ始めます。
2.弦溝に4Bなどの濃い鉛筆の芯をなすりつける。
ガット弦自体、表面の摩擦係数が高いので、弦が溝をスムーズに通るようにするためです。次の3番も同じ。
3.弦溝にあたる部分の弦のほうにろうそくをこすりつける。
(弦はテンションがかかると伸びるので、伸びしろを勘案して広めにこすりつけておく)
4.ガット弦は急角度の折り目をつけるとそこからほつれ始めたりする傾向はありますが、お話の、糸巻きにかけた折れた部分から切れたというのは極端ですね。よほどきつく折り目がついたのでしょうか。
糸巻きのシャフトにあけてある弦を通すための穴の角がよほどシャープになっていた?念のため、その穴の縁も少しだけ角をとっておかれてはどうでしょうか(普通はそこまでは必要ないと思うのですが、お話のご経験から用心ですね)
5.少しでも長持ちさせるという観点からすると、楽器に張る前に弦を油に浸しておくことも効果があります。
弊社のウクレレ弦は「3xヴァーニッシュ」といって、自然なガットの上にコーティングを3回かけて耐久性を高めてはありますが、それでもオイル含侵しておくと効果はあるようです。油は、料理につあうオリーブオイルや、ベビーオイルなどの保湿オイルでも良いです。アロマオイルに使うキャリーオイル(芳香性のあるエッセンシャルオイルではないほうです)に使われるアーモンドオイルやホオバオイルなどでもOKです。
モダンなナイロン弦などに比べると手間はかかりますが、自然なガット弦の発音の良さをお楽しみいただければと思います。
ご質問などありましたら、なんでもどうぞお問合せください。
野村